お客様に選んでもらうために何をしますか?

「買いたい」「利用したい」と思わせる工夫を

開業の日を迎えたら、いよいよ利益を得る段階です。当然ながら利益を得るには「売上」を上げることが必須です。売上とは、何でしょうか?簡単にいうと、「客数」と「客単価」ではじき出される金額ですが、お客様の購買心理が働くことによって、その金額は多くなったり少なくなったりします。これを「売り上げの法則」と言い、次のような式が成り立ちます。

売上 客数 × 買上率 × 客単価 × 購買頻度

  • 客数 →広告宣伝、イベント出店、SNS活用など周知する方法を工夫
  • 買上率 →お買い得感や優越感を高め、お客様の気分がよくなる仕掛け
  • 客単価 →ついで買いを誘ったり、セット商品や利益率の高い商品を販促
  • 購買頻度 →限定品の販売やクーポン券発行など「次につなげる」仕掛け

人がお金を払って「買いたい」「利用したい」と思うのは、何かしらその人にとってメリットがある場合です。販売に不慣れな人はとかく「商品のよさ」を語りたがりますが、興味のないトークを聞かせるのは逆効果です。まず、相手の警戒心を解いたり、興味をもってもらうことから始め、相手から「欲しい」という言葉を引き出すように流れをつくりましょう。

第一段階・・・認知
感じのいい挨拶、「使ってみたい!」と思わせるキャッチコピー、楽しいPOPなど
第二段階・・・カウンセリング
いま使っている商品では満足できない点や現状の困りごと、好きなものなど
第三段階・・・説明
商品の特徴(困り事や悩みを解決するための使い方、他社のと違い)使用者の実績など
第四段階・・・クロージング
「試し使い」をすすめるなど。断られても感じよく。

これはホームページの記事やチラシの宣伝文句などを考える際にも役立ちます。具体的にどのような行動を行うのかは、事業内容によって異なりますので、ここでは一例をあげます。

新規客と既存客へのアプローチとポイント

新規客 = 知ってもらうアプローチ

初めて利用する人をどうやって増やすか?

あなたのことを知らない人に「事業内容」を知ってもらうために
  • わかりやすい外看板・のぼり・野立て看板などを設置する
  • Webで探してもらう仕掛け(HP、ブログ、インスタ、Youtubeなどでの発信)
  • 紙媒体での情報発信(チラシ、フリーペーパー、ポスティングなど)
  • イベントやセミナーの開催
  • 新商品や季節商品を投入する

既存客 = 忘れられないアプローチ

一度でも利用してくれた人にリピーターになってもらうには?

あなたのことを知っている人に「事業内容」を知ってもらうために
  • 公式LINEやSNSでつながっておき、情報提供をする
  • 事業内容がわかりやすくまとまったポストカードやチラシ、名刺など
  • DMや年賀状、誕生日祝いなどを送る
  • 公式LINEやSNSなどでの交流をする(いいね!コメントやチャット等)
  • リピートしたくなるような感動するサービスの提供

売上計画の立て方

売上計画はあせらず現状把握から確実に

利益を得るには売上を立てることが基本ですが、期待したほど売れないというのが多くの人の現実です。夢のような売上目標を掲げても、達成できずに落ち込むだけなので、まずは自分の置かれた状況をふまえて、達成可能な目標を立てましょう。

たとえば、半年以内に売上を1.5倍にしたい場合、客数を2倍に目標値を定めれば、イベント開催や初回割引クーポンを配布してみようといった具体的なアイデアがでやすくなります。また、目標に期限を設けることで、具体的な計画に落とし込みやすくなります。

値引きだけではお客様の心はつかめない⁈

あなたが消費者の立場なら、「値引きは好きですか?」と聞かれれば、「好き」と答える人は多いでしょう。とくに「安くすれば、お客様は来てくれるだろう」と安易に行う値引きは、おすすめできません。とある飲食店では、競合がフリーペーパーで10%割引をはじめたから、「うちも!」と追随しました。

しかし、その対応に追われ、それ以外に集客の努力をせず、以前から行っていた割引券も併用していたため、割引が常態化し、気が付けば全くもうからない経営体質になっていたといいます。

値引きが絶対NGというわけではありません。戦略的に値引きを行い、売上アップにつなげている例もあります、ある美容系のサロンでは、新たに導入した美容機器の稼働率を上げるために、クーポン系サイトを利用して集めた新規客に対し、その危機を活用したサービスを安く使える回数券を発行しました。

そのチケットを購入した顧客が固定客となり、継続的にサロンに通ううち、別のサービスも受けるようになって客単価を押し上げているそうです。

値引きをせずに済むのが一番ですが、もし戦略的に販促の手法として値引きを行うのでしたら、値引き分をどこかで回収する仕組みを考えておくべきです。

売上の法則を理解したら、STEP16の【請求書と見積書】へ進んでくださいね!

YUKI

Step16請求書と見積書