あなたの商品やサービスはいくらですか?
価格を決める前に「相場」を知る
あなたが販売する商品やサービス、いくらで売りますか?業種や分野が違っても、多くの人が頭を悩ませる問題です。特別な価値や独自サービスを提供できるなら、あまり気にする必要はありませんが、相場がわかれば、自分が設定した価格が適正かどうかを判断することができます。相場とは、市場の状況によって決まる値段のこと。あなたが参入しようとしている業界の相場をつかむには、次のような方法があります。
他社の価格には、何かしら「その設定にした意味」があります。「自分の提供する商品やサービスを利用してほしい人」が現在利用している他社の価格を参考にしましょう。たとえば、美容業の場合は10分1000円が相場です。とくに、同じ地域で営業している同業他社については必ず把握してください。お客様は比較して選ぶものです。実際に自分でサービスを利用してみるのも一つの方法です。他社リサーチは少なくとも5つ行ってください。
自分の起業する分野での原価率の相場を知ることも重要です。たとえば飲食店の場合、売り上げ10のうち、「原価3、人件費3、その他3、利益1」と言われています。
モノをつくって売る場合、「どうやって売るか」でも価格設定は異なります。たとえば、誰かに販売してもらうなら、その相手にも利益が必要です。一般的に、最終価格の3割から5割の金額で卸売りすることが多いようです。
サービス業などでとくに原価がかからないなら、客数が安定するまでは「初回限定」「期間限定」など、最初は競合より安めの価格設定にし、徐々に値上げするのも1つの方法です。ただし、価格改定の際には、何らかの工夫をしないと失客する可能性があることも頭にいれておく必要があります。
「安い=たくさん売れる=儲かる」という図式が成り立つなら、とっくにみんながやってますよね。安易に「安さ」を売りにすることは経営を苦しくするだけです。なるべく避けましょう。以下に先輩起業家たちの「価格設定」にまつわる事例をまとめました。参考にしてみてください。
私はこうして「価格」を決めました!
価格例 25,000円 / 2時間
【価格の決め方】仕入れの発生するものではないので、最初は1万円からはじめました。値上げにあたっては、ほかに講師業の方の金額なども参考にしています。
【失敗したと思ったこと・改善したこと】 講師たるもの高い金額でなければと思っていた時もありましたが、実績を重ねながら徐々に上げていくという方針で今はこの価格に落ち着きました。
価格例 3,000円 / 個
【価格の決め方】オリジナル化粧品の販売をしています。1個当たりのコストが1,500円なので、販売価格は1,500円の儲けがあればいいかなと思って決めました。
【失敗したと思ったこと・改善したこと】 自分ではなかなか売れず、お店に営業に行きましたが、掛け率が販売価格の30%で赤字になるため、取引には至りませんでした。この時初めて、直販と卸しでは価格設定が異なるということを知りました。
価格例 35,000円 / 4時間
【価格の決め方】最初は客数が伸び悩み、焦って値下げしてしまったので、あらためて自店のウリを整理したり、お客様の声を載せるなどして、徐々に値上げしていきました。
【失敗したと思ったこと・改善したこと】 値下げしても、客数も売上げも増えなかったです。停滞する時期は、自分の勉強をする時間だととらえて、マーケティングの勉強やコンサルティングなどを受けて商品の再構築に取り組みました。
価格例 85,000円 / 6か月コース
【価格の決め方】他社の個別相談量を参考に自社の付加価値分を上乗せしました。継続で効果が出るものなので、想定顧客が月々払える金額で設定しました。
【失敗したと思ったこと・改善したこと】 顧客が増え、実績ができてから、付加価値サービスを見直しました。お客様も自分も手間がかかるだけであまり有効ではない部分はカットするなど改善しました。
価格例 1,500円 / 体験コース
【価格の決め方】ネットで他社の動向をリサーチし、カウンセリングや容器や機材の種類を上乗せした価格に設定しました。
【失敗したと思ったこと・改善したこと】 体験コースを値上げしたところ、利用者が減少したので、初めから高い金額ではなかなか行けないのだと思い、値段を元にもどしました。自分のスキルと実績がアップした後に、値上げを再度したところ、お申込み数は減りましたが、総売り上げはアップしました。
価格例 350円~/ ケーキ1個
【価格の決め方】原材料費と近隣の同業種の店舗を5店舗リサーチして決めました。
【失敗したと思ったこと・改善したこと】 開店して1~2年は「買ってもらえなかったらどうしよう」という不安が強く、希望価格より低めに設定してしまいました。買ってもらえなけらば困りますが、利益が出ないのはもっと困ります。自分の技術は安売りしてはいけないということを学びました。
価格設定のワーク
他社リサーチ
件数 | 社 名(屋 号) | 商品・サービス/価格 | 商品・サービス/価格 | 商品・サービス/価格 |
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① | ||||
② | ||||
③ | ||||
④ | ||||
⑤ |
原価率計算
科目 | 割合 | 金額 |
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材料費 | 30% | |
自分の時給 | 30% | |
その他(場所代など) | 30% | |
利益 | 10% | |
合計 | 100% |
販売方法と利益分配
例)自社販売の場合・・・100%、代理店に販売してもらった場合・・・50%、紹介者・・・10%
価格設定
商品名 / 属性 | 価格 | 備考 |
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商品①/定価 | ||
商品①/初回限定 | ※30人の販売実績ができたら定価に戻す | |
商品②/定価 | ||
商品②/当日限定 | ※当日のお申込の方だけの価格・翌日以降は定価での販売 |
価格設定のワークが完了し価格が決まったら、いよいよ開業手続きです。STEP12の【開業手続き】へ進んでくださいね!
YUKI