SNS広告の基本的な特徴

自社の商品・サービスの認知度や好感度を上昇させたり、フォロワー数を増やしたりといったKGI・KPIを達成するためには、各SNSが提供する広告の活用も有効な手段です。各SNSで広告の出稿方式や費用は変わりますし、いろいろな方式が選べるSNSもあるので、適していると思われる方式を確認して出稿するのがよいでしょう。

各SNS広告の特徴

Twitter

・多彩なターゲティングで広告を配信できる
・二次拡散が狙いやすくリツイートによる二次拡散がされればされるほどコストパフォーマンスが上がる

Instagram

・成果報酬型なので費用的にムダのない出稿が可能
・ビジュアル重視のSNSなので広告にも高いクオリティが求められる

Facebook

・実名性のSNSゆえに硬度の高いターゲティングができる
・他のプラットフォームへの出稿も同時に可能になる

ポイント

基本的にどの広告もフォロワーの友達の投稿と並んで表示されるため、まぎれやすかったり、ともすれば邪魔に思われてしまうこともある点に配慮し、ターゲットのペルソナに目に留まる広告を作ろう

各SNS広告出稿の基本

広告を出稿する際には、KGI・KPIと照らし合わせながら何のために広告を出稿するのかを決め、適切なメニューを選択しましょう。次に、配信期間や予算、ターゲットなどを詳細に設定していきます。次に配信期間や予算、ターゲットなどを詳細に設定していきます。

Twitterでの広告配信を例に、一連の流れを見てみましょう。

Twitter広告出稿の流れ

  1. 初期設定をする
  2. キャンペーンの目的を設定する

    目的を「ブランド認知度の向上」「ツイートのエンゲージメント」など8種の内から選択します。

  3. キャンペーンの名前、予算、配信期間を設定する

    キャンペーンの名前については自由ですが、複数のTwitter広告を行う可能性があれば、区別して管理できるように名称を付けるといいでしょう。
    予算については1日あたりの予算だけでなく、オプションでキャンペーン全体の総予算を設定することもできます。
    予算の消化についても、1日を通して均等になるように配信する「標準配信」と、1日のうちなるべく早く予算を使い切る「集中化配信」が選べるので運用方針に合わせて選びましょう。
    スケジュールの設定では、広告配信の開始と終了の日時を設定できます。

  4. 広告グループを作り基本情報を設定する

    ここではターゲティングなどが詳細に設定できるようになっています。

  5. ターゲティングの設定をする

    ターゲットは、性別や年齢のほか、ユーザーの興味・関心、使っている端末など詳細に設定でき、選択することでどれくらいの範囲に配信されるかも表示されます。設定したペルソナを参考に設定しましょう。

  6. クリエイティブを設定する

    最後に、広告として配信したいツイートのテキストや画像(クリエイティブ)を用意し、詳細条件を設定します。

⇒ Twitterの広告出稿の際には、「Twitter広告スターターガイド」を確認してください。

Instagram広告出稿の流れ

  1. 事前準備

    ①Facebookページを作成し、ビジネスマネージャアカウントを取得 

    ②Instagramアカウントをプロアカウントに変更してfacebookと紐付け

    ③支払い用クレジットカード

  2. Instagramアカウントをプロアカウントに変更してfacebookと紐付け

    ①Instagramプロフィール画面の右上の「設定」
    ②「設定」メニューの「アカウント」を選択

    ③アカウントメニューの最下部にある「プロアカウントへに切り替える」

  3. 広告作成画面の設定

    Facebookページのメニューから「広告センター」を選び、「広告を作成」をクリック
    広告を配信する目的選択になりますので、目的のカードを選択し、広告作成画面に移ります。

  4. 広告クリエイティブの設定

    広告クリエイティブの「画像「テキスト」「CTAボタン」「URL」の編集をします。
    右側には「プレビュー」「推定リーチ数」「支払いの概要」が表示されますので、広告作成や効果試算の参考にしましょう。

  5. 広告のオーディエンスの設定

    オーディエンスの設定では「性別」「年齢」「地域」「詳細ターゲット設定」を設定することができます。さらに細かいターゲットの属性を設定したい場合は、「詳細ターゲット設定」の参照から設定できます。自社の配信したいターゲットにあわせてカスタマイズしましょう。

  6. 広告を配信する期間と予算を設定

    広告の掲載終了日と一日に消化する予算を設定します。

  7. 広告の配信先と支払い設定

    広告配信先のチェックを設定し、広告支払い用のクレジットカードを設定したら、広告配信の設定は完了です。配信設定ができたら、最後に画面下にある「今すぐ配信」をクリックして完了です。作成した広告内容がInstagram広告ポリシーに準拠しているか自動的に審査され、承認されることで広告の配信が開始されます。

⇒ Instagramの広告出稿の際には「Instagram広告」を確認してください。

Facebook広告出稿の流れ

  1. 事前準備

    ①Facebookページを作成し、ビジネスマネージャアカウントを取得 

    ②Facebookビジネスマネージャから、広告アカウントを取得

    ③支払い用クレジットカード

  2. 広告キャンペーンを作成

    Facebook広告では、1つの広告に対して1つのキャンペーン情報を設定します。

    新規のキャンペーン作成は、「広告マネージャ」のキャンペーンのタブから「作成する」をクリックし、目的を選び、名前を付けて設定完了です。

    「マーケティングの目的は?」 の下部にある項目で目的を選択し、キャンペーン名を入力します。

  3. 広告セットの設定

    「広告マネージャ」の左のタブから広告セットの設定画面で「オーディエンス」からターゲットを設定します。ターゲティングは、地域や年齢、性別だけではなく、ユーザーの興味のあるジャンルなど、細かく設定できる仕組みになっています。「配置」では、広告を掲載する場所を選べます。Facebook以外にも、Instagram、Messengerから選択でき、制限がなければ自動配置がおすすめです。

  4. 広告予算と掲載期間の設定

    Facebook広告はおよそ100円前後から広告出稿ができる手軽さが魅力です。また、広告出稿中の予算の変更にも対応しています。予算の設定は1日ごとと、通算の予算の2パターンから選ぶことができますが、予算を1日ごとに設定した場合、予算を消化してしまった時点で広告の出稿が止まるため、注意が必要です。広告を最適化するために、1広告セットあたり1日の予算は2,000円以上を望ましいものとしています。

  5. 広告を作成する

    「広告マネージャ」の左のタブにある広告から設定します。「アイデンティティ」で自分のFacebookページを設定します。「形式」で広告フォーマットを設定します。「メディア」で画像を「テキストとリンク」からリンクを設定します。「テキストとリンク」では、Facebookアカウントの下部に表示されるテキストや遷移させたいウェブサイトなどを設定します。ここまでの手順で、広告の設定は終了です。

  6. 支払方法を設定

    広告支払い用のクレジットカードを設定します。

  7. タグを発行する

    最後に、リターゲティングをする際のオーディエンスリスト作成や効果測定に必要なFacebookピクセルを発行します。「イベントマネージャー」「データソース」の順にクリックし、画面の指示に従いタグを発行し、サイトに設置しましょう。作成した広告内容がFacebook広告ポリシーに準拠しているか自動的に審査され、承認されることで広告の配信が開始されます。

⇒ Facebookの広告出稿の際には、「Facebook広告」を確認してください。

SNSの広告メニューはとても潤沢に用意されていて、予算からターゲットまでかなり細かく設定することができます。想定する対象に届けやすい、広告を出稿するにはきわめてコストパフォーマンスのいいプラットフォームだと言えますが、ターゲティングを絞りすぎて全然配信されないということないように、気を付けましょう。

クリックされやすい広告とは?

Web広告とSNS広告の違いを知っておく

SNS広告以外のWeb広告の代表的なものの1つにリスティング広告があります。

リスティング広告とは、Googleなどの検索エンジンを利用する際に入力されたキーワードに連動して、関連すると思われる広告が検索結果のページに表示される形の広告です。つまり、リスティング広告はユーザーが欲している情報にマッチした広告なので、能動的にクリックされる可能性が高ります。

しかし、SNS広告はそうではないことをわかっておかなければいけません。SNSは主に友人の投稿を閲覧するために開かれているので、ユーザーが欲している情報に広告がマッチしているとは限りません。

しかしながら、フォロワーの投稿と勘違いするほど自然にタイムラインの中に溶け込み、違和感なく表示させることができること、詳細な属性に合わせたターゲティングが可能なこと、広告内容によっては、二次拡散をも期待できることなどのメリットが多数存在します。

そのためSNS広告はユーザーに受動的に見られる存在ですが、属性の絞り込まれたユーザーに違和感なく表示され、自然なコミュニケーションの中でクリックさせることが可能です。

このようにSNS広告と、リスティング広告とではクリックに至る動機やプロセスが異なってきます。SNS広告を配信する際は、ユーザーの目に留まりつつ、ユーザーの欲求を喚起する、共感を得ることができるようなコンテンツを制作していきましょう。

SNS広告のよくある失敗例

SNS広告はターゲティング精度の高さなど総合的に見てコストパフォーマンスのよい広告ですが、ムダ打ちをなくすためにも、ちょっとしたミスによる失敗は避けたいところです。

配信期間の設定ミス

広告コンテンツの内容と配信される時期がちぐはぐにならないように、配信期間の設定に気を付けましょう。特に季節や時期にかかわるイベントごとに関連するものはタイミングを逃してしまうと致命的です。過去に2月14日を過ぎているのに、表示されるバレンタインの広告があったり、7月に入ってからもジューンブライドをすすめる広告が表示されたりといったこともありました。

適切な状況下で配信する

配信のタイミングなどは世の中の状況にも十分な配慮が必要です。例えば、大きな災害があった時は状況によっては広告を自粛すべきかもしれません。現実には過剰に反応し「不謹慎狩り」というほど他社を非難したがる人も存在します。慎重になりすぎて、身動きがとれなくなってしまうということもありますが、これには正解はありません。ある意味状況に応じて「空気を読む」ということが求められます。

文字数がオーバーしている

タイトル、本文、リンクの説明など、テキストの入力欄には文字制限があります。文字数がオーバーしてしまうと省略されて表示が途中で切れてしまいます。文字数の入力限度を確認したうえでテキストを作成するようにしましょう。

失敗を防ぐには?

こうした失敗を防ぐには、広告を配信する前のタスクとして、配信期間が正しいか、文字は切れずに表示されるか、リンクのURLは正しいか、誤字脱字がないかなどをチェックするようにしておくことです。

広告の効果測定のやり方

広告を出稿したら、KPIに沿った効果測定を行いましょう。データをまとめるのはおっくうかもしれませんが、まとめたデータは今後、広告出稿の際の比較や運営方針を決める際の参考材料になるのでレポートにまとめておきましょう。

SNS広告配信でよく利用されるKPIは「CPF」と「CPE」です。広告配信の目的によって使い分けられます。

CPF(Cost Pre Follow/Fan)

1フォロワー(ファン)を獲得するためのコストのことです。フォローやファン獲得ごとに課金されるため、全体予算÷獲得フォロー数で算出できます。

CPE(Cost Pre Engagement)

エンゲージメント獲得単価のことです。ユーザーの反応(リツイート、「いいね」、コメント返信、お気に入り登録、クリックなど)ごとに課金されるため、全体予算÷エンゲージメント数で算出できます。

最初は小規模配信でテストする

SNS広告を出稿する際「フォロワー数を増やす」ことを目的としてKPIを「フォロワー数3000人増」としたとします。この場合広告予算は、フォロワー1人を獲得するためのコスト(CPF)×3000人という計算で算出できます。

CPFは一般的に100~300円程度が目安とされますので、必要な広告予算は次のようになります。

CPF×目標獲得フォロワー数=必要な予算
300円×3,000人=900,000円

他の広告媒体に出稿するよりは比較的安価とはいえ、少なくない金額がかかるということです。

テスト配信で見定める

最初のうち、特にはじめてSNS広告を出稿する際は、予算3万円、掲載期間2週間などといったように、少ない予算と短い期間でテストを行ってみるのがおすすめです。

広告を複数パターン用意し、どちらがより効果の高い効果を出せるのかを検証するABテストなども実施するといいでしょう。

自社のSNS広告のCPFなどの概算を把握することができるためより規模を大きくした配信を企画する際に予算が算出しやすくなります。小規模なものを試すことで、異なる目的違った方向のクリエイティブなど自社にとってどのような形での広告出稿が効果的なのかを見極めることにも役立ちます。



お疲れ様でした!いよいよ次回で最後です。
最後は、長く愛されるアカウントになるための「STEP27. より効果的なSNS活用法」をお伝えしていきます。

YUKI

STEP27. より効果的な活用法