どれだけユーザーに喜ばれているかを図る方法

投稿したコンテンツがどれだけユーザーに喜ばれているかを図るためにエンゲージメント率によって効果測定ができます。エンゲージメント率とは、ファンやフォロワーから投稿したコンテンツがどれだけ愛着を持たれたかを数値化したものですが、各SNSでエンゲージメントの定義やエンゲージメント率の計算方法に違いがある点に注意しなければなりません。

KPIとしてエンゲージメント率やエンゲージメント率を設定する場合が多いと思いますので、自分が利用するSNSの各定義について、あらかじめ確認しておきましょう。算出方法はそれぞれのSNSで異なりますが、基本的にどのSNSでもユーザーからの反応が多ければ多いほどエンゲージメント率も高いものになります。

Twitterのエンゲージメント率

Twitterのエンゲージメント率は、以下のエンゲージメントの数をインプレッション数(ツイートが見られた回数)で割ることで算出されます。

Twitterが定義しているエンゲージメント

・投稿ツイートのクリック数
・投稿への「いいね!」数
・リツイート数
・返信数
・フォロー数

Instagramのエンゲージメント率

Instagramのエンゲージメント率については、決まった算出方法は決められておらず、表示もされませんので、右の計算式で算出することができます。

Instagramのエンゲージメント率の計算式

エンゲージメント数=いいね!数+コメント数

エンゲージメント率=エンゲージメント数 ÷フォロワー数(※またはリーチ数)×100

Facebookのエンゲージメント率

Facebookのエンゲージメント率については、決まった算出方法は決められておらず、表示もされませんので投稿ごとのエンゲージメントをFacebookページの左サイドバーのメニュー「インサイト」の「投稿のエンゲージメント」で確認し、下記計算式で算出できます。

Facebookのエンゲージメント

エンゲージメント数=いいね!数+コメント数+シェア・クリック数

エンゲージメント率=エンゲージメント数 ÷リーチ数×100

ライバルのエンゲージメント率から課題を見つける方法

他社のエンゲージメント率を計算する

エンゲージメント率はどのくらいを目指すべきなのか(KPIの設定)は、競合企業が参考になります。フォロワー数なども同様です。しかし、エンゲージメント率を算出するためのインプレッション数やリーチ数について、他社のものはわかりません。見える範囲の数字から他社のエンゲージメント率を算出する必要があり、その計算式は以下のようになります。

  • Twitter:(「いいね!」数+リツイート数)÷フォロワー数
  • Instagram:(「いいね!」数+コメント数)÷フォロワー数
  • Facebook:(「いいね!」数+コメント数)÷ファン数

目安となる競合のエンゲージメント率を計算したら、自社と比較できるように表などにまとめておきましょう。表を作ることで、自社が同じ業界の中でどのくらいの位置なのか、ファンを増やしていく段階なのか、エンゲージメント率をどれくらいを目指して高めていくべきなのかが確認しやすくなります。今後の方針を決めやすくなるのでぜひ試してみてください。

エンゲージメント率を高める方法①画像を適正サイズにする

SNSへの投稿に画像を付けることは非常に効果的ですが、画像が途中で切れてしまっていたりすると注目されないばかりか、それまで作り上げてきたブランドイメージを悪いものにしかねません。さらないエンゲージメント率を高めるために適正なサイズの画像を投稿しましょう。

各SNSおよび掲載される場所によって適正な画像サイズは違うので注意が必要です。

Twitterの推奨画像サイズ

サイズ(ピクセル)容量形式その他
プロフィール画像400×4002Mバイト未満JPG、PNG円形を想定した画像
ヘッダー画像1500×5002Mバイト程度JPG、PNG
投稿画像640×360

Instagramの推奨画像サイズ

サイズ(ピクセル)容量形式その他
プロフィール画像320×320規定なしJPG、PNG円形を想定した画像
投稿画像1080×1080規定なし
ストーリー・リール1080×19204G以下

Facebookの推奨画像サイズ

サイズ(ピクセル)容量形式その他
プロフィール画像320×320~960×960規定なしJPG、PNG円形を想定した画像
カバー画像820×360規定なしJPG、PNGスマホ表示ゾーン640×360
投稿画像720×720規定なし
リンク投稿画像1200×630規定なし

エンゲージメント率を高める方法②プロフィール写真の活用

プロフィール写真はユーザーのエンゲージメントを獲得する上で、じつは大変重要な位置を占めています。以下のポイントをチェックし、現在の自分のプロフィール写真を見直してより多くのエンゲージメントが得られるようにしよう。

プロフィール写真で気をつけるべきこと 

適切なサイズで表示されているか?

  • 円形にトリミングされるのを踏まえた写真であること
  • ロゴが欠けたり表情が判断できない写真は避け、「誰が投稿しているのか」を見える化しよう
  • 間に合わせではなくしっかりとした素材を用意すること

業態と一致した写真が使われているか?

  • 発信したい内容や商品(サービス)をイメージしやすい写真か?
  • 見ただけでどのような専門家かがわかる写真を使うこと
  • ユーザーに分かりやすいように工夫するのもよい

各SNSのプロフィール写真が統一されているか?

  • ユーザーとの距離感を縮めるためにも、プロフィール写真は同じものを使うこと
  • 異なるSNSを運用する際は、ユーザーに認識してもらいやすいように統一すること

エンゲージメント率を高める方法③リンクの表示を確認する

SNSにリンク付きの投稿をしたとき、タイトルやURL、画像(サムネイル)が切れて表示されてしまうとシェアされにくくなります。そこで、リンクが正しく表示されているかを確認しましょう。

リンクをSNSでシェアした際にリンクの内容を伝えるための情報のことをOGP(オープン・グラフ・プロトコル)と言います。リンク先のHTMLソースで設定する必要があるため、詳細に設定するには、サイト制作に関する一定の知識が必要です。自分でできないときは外部の協力を得るとスムーズです。

画像が切れているとシェアしてもらいにくいというのは単なる見た目の問題だけでなく、OGPが設定されないことでアルゴリズムによって投稿か表示されにくくなるという大きな問題もあります。

シェアデバッガー機能で確認する

表示内容はシェアするページの情報から自動で作成するため、意図しない画像・テキストや古い情報が使われていることもあります。シェアデバッガーとはシェアしたリンクがどのように表示されているかを確認したり、最新情報に更新できるツールです。正しい情報をユーザーに伝えるため、記事をシェアする前に毎回シェアデバッガーで表示を確認・更新しておくと安心です。Twitter、Facebook、それぞれの専用リンクは以下の通りです。

シェアデバッガー機能

 TwitterCard validator
 FacebookFacebook for developers
※「Facebook For Developers」はFacebookの開発者向けのサービスです。Facebookのアプリ開発には必須のサービスです。OGPの確認もできるため、WEBサイト制作者にもよく使用されています「Facebook For Developers」を使うには、Facebookアカウントとは別にアカウントの登録が必要となります。

エンゲージメント率を高める方法④クイックレスポンスを心がける

投稿に対してユーザーがコメントをしてくれた場合、「いいね」やコメントを返すようにすることでユーザーとの関係が醸成されエンゲージメント率が高まる傾向にあります。特にリアルタイム性が高い特色を持つTwitterではコメントをできるだけ早く反応を返すことで、さらなるリアクションを得られる可能性が高くなります。コメント数が多くすべてには返信できないときはある程度の取捨選択をせざるを得ませんが、ユーザーからのコメントにはなるべく、かく素早く反応することを心がけましょう。

ポイント

もらったリプライやコメントにはなるべくその日のうちに返す
商品、サービス情報3割、日常会話7割を心がける
ユーザーと少しでも交流したいという姿勢である
商品、サービス情報を紹介する際にもSNSの文脈にからめて親しみやすく紹介する

アンケートでより詳細な要望を知る

これまで分析や効果測定のやり方を説明してきましたが、必要なタイミングに応じてユーザーにアンケートを行い、KGIの達成度も調査するのがいいでしょう。アンケートはKGIの達成度以外にもファンの要求を知り、それに応えて関係性をもっと深めるためにも役立ちます。役には立つのですが、アンケートの実施はかなり大変な作業なので、半年から1年くらいのスパンでやるのがよいでしょう。

アンケート実施の基本的な流れ

  1. 質問項目を考える

    ・KGIの進捗具合が測れるような設問も盛り込もう
    ⇒全ユーザーに向けた例)・発信でうれしい情報はどのようなものですか?
    ⇒購入者に向けた例)・弊社の商品、サービスの利用頻度は週に何回程ですか?

  2. アンケート告知

    ・SNS上のイベントや広告の出稿、インセンティブを通じて告知する
    ⇒インセンティブの例)クーポン、ギフト券、賞品など

  3. アンケート実施

    ・シンプルに回答できるようにハードルを下げる
    ⇒例)複数の回答を用意しておいてチェックするだけでいいなど
    ・Webアンケートツールを利用して効率よく実施する
    ⇒Googleフォームなど(利用にはGoogleアカウントが必須)

  4. レポート作成

    ・アンケート結果をまとめて今後に活かせるようにする
    ⇒作成にはかなりの労力がかかるが、これから役立つ資料になる
    ・Webアンケートツールを利用すれば告知からレポート作成までかなり省力化できる

次回「STEP25. SNSの運用法」では、ファンを増やすSNSの運用方法についてお伝えしますね!

YUKI

STEP25. SNSの運用法