夢や思いを具体的なかたちに変えるには?

人に話すことで方向性や課題が見えてくる

アイデアというものは、考えているだけではどうしても独りよがりになりがちです。そこで、頭の中にあるアイデアや思いを人に話すことで、自分では気づけなかった新しい切り口や視点を得られたり、足りない部分や迷っていたことに答えがわかってきます。

また、人に話していくことで、どんどんブラッシュアップしていきます。人に話すことは恥ずかしい気持ちもあると思います。事業によってはドン引きされるかもしれないし、ときには批判されるかもしれません。

最初は興味深く聞いてくれていても、いざビジネスとなれば厳しい意見も耳にするでしょう。でも、そういった意見の中にも、参考になるものがあるはずです。

どんな成功者も思い付きのアイデアをビジネスの形にするまでの道のりは真っすぐではありません。紆余曲折ある中で、問題点や課題が見つかった時にそれを乗り越えたり、回避したりしながら歩んでいます。

人に話すことで得られるメリット

  1. 冷静な第三者の意見から改善点が見えてくる。
  2. 自分の中で詰め切れていなかったことが明確になる
  3. 開業したときのお客様になってくれる可能性がある
  4. 新たなニーズを発見する場合がある
  5. 口に出すことで本気になれる

人に聞く時の心構え

  1. 否定的な意見や出ても、凹みすぎたり、怒らないこと
  2. 期待しすぎないこと
  3. いろいろな意見に振り回されすぎないこと

事業コンセプトをまとめてみましょう

人に話したり、意見を聞いたところで、当初のアイデアとはまた違うものが浮かんできているかもしれませんが、ここで一度あなたの事業コンセプトをまとめてみましょう。きっちり仕上げようなどと考えず気軽に取り組んでみてください。

ポイントは誰に(ターゲット)何を(提供する商品・サービス)、どのように提供するのか(どうやって知ってもらうのか)ということです。これまでの周りの人の意見から学んだことも併せてまとめておくと、本格的に事業プランを立てる際にもきっと役立つはずです。

私の事業コンセプト作成ワーク

ターゲットは誰ですか?

何を提供しますか?

どうやって知ってもらいますか?

まわりの意見から学んだこと(気づき)

お店や会社の「名前」屋号・商号の決め方

お店や会社をつくるなら、その名前が必要になります。ここでいう名前とは、個人事業主の場合は「屋号(やごう)」、会社の場合は「商号(しょうごう)」といいます。このうち、屋号は必ずつけなくてはならないわけではなく、個人名義で事業を行うことも可能です。しかし屋号があれば、名刺やお店の呼び名、銀行口座の名義や領収書などの宛名も屋号にできますので、プライベートと区別しやすくなります。

あなたの思いを込めて自由に名付ければよいのですが、流行り廃りに関係なく、「わかりやすい」「覚えやすい」「業務内容を連想しやすい」ものがよいでしょう。

ちなみに、屋号はあとから変更できますし、2種類以上をもつことも可能です。ただし、「〇〇法人」「〇〇会社」「株式会社〇〇」といった名称をつけることはできません。これらは法人登記をした法人のみに使われるものだからです。

また、同じジャンルで商標登録された名前がないか事前に「特許情報プラットフォーム」で確認してください。すでに法人登録された名前でも、住所が違えば登記ができますが、地域が近くジャンルも同じだと紛らわしいので、商売上、得策ではないでしょう。

ネーミングの事例

せっかく自分のお店や商品、好きな名前を付けたいですよね。ケーキ屋を開業するK子さんと弁理士のM代先生との会話です

K子さん

なるほど、他人とかぶっていなければいいのね!私は自分のお店の名前を「De délicieux bijoux」にするつもりです。フランス語で「美味しい宝石」という意味なんです。

M代先生

あなたのことを知らない人にも来てもらおうと思ったら、「覚えやすい」「業務内容を連想しやすい」ネーミングやキャッチコピーがよいですよ。

K子さん

たしかに…。フランス語はネット検索してはもらえないですよね。「De délicieux bijoux」という言葉も呼びにくいですし、もうすこし考えてみます。先生、商標と商号ってどう違うのですか?

M代先生

「商標」は、お店や商品の名前など、特許庁に商標登録を行うことで登録されます。「商号」は、会社等の名前のことで、法務局に登記するものです。同一住所に同一の商号が登記されていなければ、登記ができます。

M代先生

すでに登録されている「商標」と同じジャンルで商売を始めると問題となる場合がありますので、相手がカタカナ表記でこちらは漢字表記であったとしても「耳で聞いて同じ」場合は、商標権の侵害とみなされることが多いので注意が必要です。

ネーミングを決める参考になりましたか?今すぐ決めるのは難しいと思いますので、まずは私の事業コンセプト作成ワークを完了させましょう。このワークで書いたことをキーワードとしてネーミングを作るとスムーズですよ。ワークが完了したらSTEP6の【費用と所得控除】へ進んでくださいね!

YUKI

Step6費用と所得控除